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2012.12.20 00:00


『ピクニック用の折りたたみテーブルが不要になったので
インターネットのオークションで売ることにした。
四十二歳になる山本紀子には二人の子どもがいるが
下の子が中学に上がってからというもの、家族で出かける機会がめっきり減った。
この夏はとうとうどこにも行かなかった。』


book家日和

家庭の中で起こる小さな出来事。それはさほど大きな事件ではないけれど
ひっそりとかすかにさざ波を起こしてゆきます。
それでもそのさざ波は少しずつ静かになっていき、やがては何事もなかったように
人知れずまた以前の静かな海面に戻ります。

ここに収録された6編の主人公は、どれもふつうの妻と夫。
身近に起こりそうで、でも実際起こったらちょっと取り乱しそうな出来事を
鋭くも温かい目線で描いています。

私が好きなシーンは、2つめの「ここが青山」で、主夫になった裕輔に厚子が駅から帰るコールをしてくることで、その間に海老フライを上げることができることに気付き、自分もそうすればよかったと気付くところ。
逆に厚子は仕事から帰ったとたんに「どうだった?」と聞かれるのはけっこう面倒なことに気付くのです。
仕事をする妻の立場の私は、両方の視点で「そうそう!」とうなってしまった。
一度、立場を入れ替えてみるのっていいかもって思っちゃった。ほんの一瞬だけならね(笑)

■収録作品■
サニーデイ
   子どもも手がかからなくなり、家族の全盛期が終わったと嘆く専業主婦の紀子は
   ふとしたことからネットオークションにはまり出す。
   品物が落札され、現金が手に入り、さらに高評価を得ることで輝きを取り戻していく。   
ここが青山
   会社が倒産し、妻が働きに出ることになった流れで自然に専業主夫となった裕輔。
   周囲からは同情や好奇の目で見られるが、意外に料理も掃除もこなしながら
   小さな喜びを見出してゆく。
家(うち)においでよ
   インテリアにうるさい妻と別居することになり、正春は今までの我慢を晴らすように
   自分好みの家具やオーディオを揃え、自分の城を作り、男のひとり暮らしを堪能する。
グレープフルーツ・モンスター
   佐藤弘子は東京郊外に住む平凡な主婦。一通7円のデータ入力の内職をしている。
   ある日、内職あっせんの営業担当が変わったといって、サーファーのようないでたちの
   日焼けした若い営業マンが現れる。グレープフルーツの香水の香りをさせて。
夫とカーテン
   春代の夫、栄一はいつもの癖で突然会社に辞表を出し、カーテン屋を始めると言い出した。
   ひらめきを頼りに行動する無計画な夫にため息をつきながら、春代はイラストレーターの
   自分の仕事に精を出す。
妻と玄米御飯
   小説家の康夫は、ある賞をとりベストセラー作家となったとたん、妻がセレブ化し
   ロハスに目覚めてしまった。食事は玄米御飯にオーガニック、その他洗剤やヨガにもはまり
   家族にも強いるようになる。康夫はその様子を皮肉った小説を書こうとするが・・・。   

家日和/奥田英朗  235P
お気に入り度:★★★★☆
2007年(第20回)柴田錬三郎賞受賞

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タグ : 奥田英朗 短編集

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