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2012.12.10 21:00


『出ていって、と言おうとして、一瞬迷い、
出ていってやる、と言いなおした。
聡史は少し驚いた顔で私を見た。
出ていって、と言われると身構えていたんだろう。
出ていってやる、ともう一度、今度は声を大きくして言った。
携帯電話と財布を握りしめ、寝室にいってコートを着、毛糸の帽子を目深にかぶる。』


book私らしくあの場所へ

角田さんの短編が収録されているということで、偶然手に取った本でしたが
なんとこないだのアンソロジー「あなたと、どこかへ」と同じく
自動車メーカーの協賛企画本でした・・・またドライブの話ばかり(笑)
企画本ってちょっととってつけたような部分があるのだけど
その中で、角田さんの作品はダントツによかったなぁ。
この主人公の気持ち、すごくすごく共感できるのです。
人と人が一緒に暮らすのって、けっこう大変。ひとりの方が断然気楽なのだ。
けれどいざひとりになってみると、ぽっかり穴があいたような気分になってしまったり。
なんかそんな気持ちをふと思い出してしまって、読んでいてきゅんとしてしまった。

やっぱりすごいな、角田サン。
なんでもない風景を切り取って、気持ちを汲み取り、文章にしてしまう。
角田さんの書くものは、読む人を置いてきぼりにもしないし、まどろっこしい気分にもさせない。
いつもいつもすーっと染み込むような自然さが残るのです。
あー、まるで角田さんに恋をしているような私です(笑)

その他に収録されている作品は・・なんだか普通でした(私には)。

そうそう、この本、栞が凝っててとても可愛かった。
book私らしくあの場所へ2

■収録作品■
「ふたり」角田光代
   夫とのささいな喧嘩から家を飛び出した私。
   自由を満喫しているのに、なぜか思い出すのは不自由な幸せ。
「ゆうれいトンネル」大道珠貴
   年の離れたミナミとドライブデートを重ねる僕は、車の揺れに、彼女に身をゆだねる。
   そし帰ったら山ももパイを作ろう。
「風になびく青い風船」谷村志穂
   貯金をはたいてパリに渡り、小さなアパートに暮らす35歳の佐枝子。
   彼女のそばには犬のブランと、クリーム色の小さな車。 
「たとえ恋は終わっても」野中柊
   透との久々の再会。そして2カ月ぶりのドライブ。
   そこここに終わった恋を感じてしまう。悲しいけれど。
「BORDER」有吉玉青
   ボストンでただ流されてゆく日々。私は何がしたいのだろう。
   ボーダー(国境)を超えれば何か変わるのだろうか?
「遠ざかる夜」島本理生
   ふと見つけてしまった手紙。怪しい電話。
   彼が見せた誠実と、私がずっと抱えていた不安の行き先は。

私らしくあの場所へ/角田光代ほか  117P
お気に入り度:★★★☆☆

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タグ : 角田光代 大道珠貴 谷村志穂 野中柊 有吉玉青 島本理生

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