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2012.12.10 23:00


『だれか一人を殺してもいいと神様に言われたら、肉屋の主人を狙う。
あの肉屋は物心ついたときから嫌いだった。
ロースハムと牛肉を包みながら、まるでわざとみたいにほかの客とつばを飛ばしてしゃべり続け、
顔を背けたまま包みを渡す。
渡す、というより私のいるらしき方向を確かめもせず放り投げる。』


角田さんの短編集を読みました。
bookロック母

黒い表紙に、ロック!?
なんとなく写真で見かける角田さんのほんわかイメージとはかけ離れますが
エッセイなどを読んでいるうちに、意外とロックな方と知ったのです。
実は今のご主人もミュージシャンだとか。

ここに収められた7編の短編は、なんというかすべて居心地のよくないお話です。
家族に振り回される話が4つと、海外の習慣の違いに振り回される話が3つ。
これがね、またどれもこれもいやーな話なんです。
あちこちに怒りが充満し、爆発しています。
この人はほんとにこういう人間の嫌な部分、毒の部分を書くのがうまいなぁ。
ほんとに読んでいてどっぷりと嫌悪感に包まれるのですが、
なんていうか、猛暑の中汗をかきながら熱くて辛い物を食べたらさっぱりした、みたいな
読後は爽やかな気にさえなってしまうような。

ちなみに読んでて一番私が怒ったのは「爆竹夜」。
面白いとか感動したとかじゃなく、怒りで印象に残らせるってすごい。


■収録作品■
「ゆうべの神様」
   毎日こっぴどい喧嘩を繰り返す両親。噂話の大好きな下品な近所の人たち。
   こんな町は大嫌いなのに愛想笑いをしてしまうマリコと、緑の髪のガンジは
   お互いをずっと忘れずにいるのだろうか。
「緑の鼠の糞」
   タイの小さな町。雑踏。熱風。土埃。乾き。ビール。辛いスープ。緑の唐辛子。
   この町で出会ったコウちゃんとは、もう二度と会わないつもりだった。
「爆竹夜」
   旧正月で浮かれるこの国、この町で、屈辱ばかりを味わった。
   人はずる賢いし、秩序もなく、割り込みや押し合いなど当たり前だった。
「カノジョ」
   この部屋には何かいる。家の不具合、おかしな隣人、ソファの下の・・・。
   出ていった前妻のものが残されたこの部屋で、寒々とした出来あいのおかずを食べる二人。
「ロック母」
   十年ぶりの故郷へ、私は父のいない子を産みに戻ってきた。
   私の残していったロックのレコードを大音量で聞く母が住む実家へ。
「父のボール」
   不幸はボールのように坂の上から転がってくる。大嫌いだった父が教え込んだその変な説を
   私たち兄妹はどこかでずっと信じていた。
「イリの結婚式」
   男女が出会い、結ばれる奇跡。私はそれを失った。なくしたのではなく自分で拒んだのだ。
   対立する民族のアミナさんと孫くんはダンスで手を取り合った。

ロック母/角田光代  262P
お気に入り度:★★★☆☆
第32回(2006年) 川端康成文学賞受賞(「ロック母」)
第108回(1992年下期)芥川賞候補(「ゆうべの神様」)


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タグ : 角田光代 短編小説集

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