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2012.10.21 22:07


『公園の緑はいっそう深くなり、姿を見せない蝉が競うように鳴いている。
扇風機を強にして、畳に寝そべり、女性誌をめくっていた繁田繭子は、
「一日限定二十食 魅惑のミルクプリン」を売る代官山のケーキ店を
赤いサインペンで囲み、首にかけたタオルで額の汗を拭う。』


最近目が疲れやすいので、せめて夜はPCを控えめにして、読書をしています。
と言いつつ、角田さんの長編はつい夢中になって夜更かししてしまうので
ほんとに目にいいのか!?って思っているんですけど(笑)
book森に眠る魚

怖い本だとは聞いていましたが、なるべく評判をシャットアウトして読みました。
いやー、ほんとに怖い!けれど怖いもの見たさでぐんぐん引き込まれて
結局週末の半日ちょっとで一気に読んでしまった。

前半で、ん?これ読んだことあったかな?って思い当るのですが
すぐに気付きました。少し前にTVドラマでやっていた、恐怖のママ友ドラマにそっくりなのです!
この小説の刊行のほうが先なので、ドラマの脚本が参考したのかもしれませんが
登場するママたちの行動やら、生活ぶりがほんとそっくり。

繭子、千花、容子、瞳、かおりの5人の母親たちは
一見どこにでもいる、まぁちょっと子供の教育に熱心な女性たち。
子供の年も近く、いい友達に巡り合えた、と喜んでいたのに。
ほんのちょっとした嫉妬や、不安、気の回し過ぎから小さなほころびができてゆくのです。

私自身は、お受験とか、幼児教室とか、公園デビューという場所に
身を置いたことがないので実感はいまひとつですが
ママ友の世界って多かれ少なかれあるんでしょうね、実際に。
子供を中心とした小さな世界で、他人の言動に疑心暗鬼になったり、陰口や噂話が飛び交ったり。
そして子供の出来を比べ、夫の収入を比べ、住まいを比べ・・・

誰にでも心の奥底に持っていそうな心の闇、ブラックな毒の部分を
今回も角田さんはなんと見事にすくい上げているのでしょう!
彼女はまず冒頭で、キラキラと楽しげなママ友の交流の様子を描いて読む人を安心させておき
そのあとでじわじわと違和感が、薄いグレーの霧のように立ちこめるのです。
角田さんはその様子を、「ぽとりとしたたる滴のように、瞳はかすかな不安を抱く」とか
「広がっていく違和感に蓋をするように」などと鋭い表現をするのです!

いろんなことがあったのち、彼女たちは救われたのでしょうか。
子供が希望する学校に合格した母もいれば、不合格だった母もいる。
そして家を手放した母もいれば、念願の第2子を身ごもった母もいる。
けれどそれで幸せになったかどうかは、その人の心の持ちようと描かれているラストが
とっても興味深いものとなっていました。

森に眠る魚/角田光代  365P
お気に入り度:★★★★☆

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タグ : 角田光代 長編小説

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