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2012.12.10 22:11


『かならずネスカフェなのでした。しかも大瓶なのでした。
そいつをむねにふわりと抱え、薄笑いを浮かべつつ、
ともしびマーケット鳥居前店店内をうろつきまわる女がいます。
髪の長い女です。前髪も長い。』


以前、この著者の「タイム屋文庫」の持つ雰囲気がとっても心地良かったのと
なんとも切ない表紙の絵とタイトルに惹かれました。
bookともしびマーケット

最近よく出会います、連作短編集。
いくつかの短編にちょっとずつ色んな人が重なり合って登場するもの。
そしてその人物たちの中心にあるのが、「ともしびマーケット鳥居前店」です。
ここいらでは一番の大型スーパーで、本屋やら100均やらドーナツ屋が入っている。
そんなどこにでもあるようなスーパーに一癖も二癖もある人たちが集まります。

決まってネスカフェの大瓶を赤ん坊を抱くように抱えている女、月足さん。
ネスカフェ女が妙に気になってつい尾行してしまう敷波智子。
ともしびマーケットの精肉部門で働く独身女、門田新子。
その門田新子と同じ作業場の中年男清野さんと、彼女の初恋の人砥部くん。

その他にも、9つの短編にたくさんの人が入れ替わり登場するので
もう誰が誰だか・・・・(笑)
しかも登場人物は時に名前で呼ばず、髪の薄い中年男や、色の白い娘、顔のひらたい女と
表現されて増えていくので注意が必要です!

私は門田(もんでん)さんのキャラクターがいちばん好きだなぁ。
第2章の「冬至」では、44歳一人暮らしの彼女の暮らしぶりが描かれているのですが
職場では清野さんがきびきびと声かけをしたり、肉をさばく姿をこっそり観察し、
自宅に帰ると冷え冷えしたアパートの風呂で鼻歌を歌ったり、
ひとりごとを言いながら湯豆腐を作り、冷酒をぐいのみ4杯飲む。
私は一人暮らしの経験がないので、変な言い方だけどこういうの憧れるというか!
「えー、きょうは沖縄の島豆腐にしてみました」ってひとりごとなんて笑ってしまう!

ただ・・・すれ違うのが醍醐味の連作短編集で、このラストはどうなんでしょう・・・
なんかコメディ舞台のようになってしまってちょっと残念。

前作でも感じた、乾いた寒さが漂うような感じがよいなーと思うのですが
それはきっと、北海道が舞台になっているからでしょうか。

■目次■
1.いい日
2.冬至
3.平河
4.ピッタ・パット
5.232号線
6.流星
7.私(わたくし)
8.その夜がきて
9.土下座

ともしびマーケット/朝倉かすみ  253P
お気に入り度:★★★☆☆

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タグ : 朝倉かすみ 連作短編集

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「ともしびマーケット」朝倉かすみ
誰かの「いい日」に、ともしびを。たくさんの買い物客がうごめいています。みんなあんなに生きている。スーパーマーケットの白くあかるい照明にひとしく照らされている。たくさんの...

粋な提案  2013.01.15 12:38

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