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2012.10.28 11:11


『たぶんかなり無秩序な、無論ひどく偏った、
でもどう見ても力強いアンソロジーです。
力強すぎるかもしれません。』


book活発な暗闇

詩ってむずかしいですよね。
自分に酔ってるようなのって、こっちが恥ずかしくなったりしちゃって。
だからふだんほとんど読むことはないのです。

そんな私が何気なく手に取ったこの本。
和洋さまざまな詩人たちの宝石のような作品を、江國さんが拾い集めたのですが
それらは日常に散りばめられた風景の一コマのような心地良さなのです。

中でも特に印象に残ったのは、恋する娘を見守る母の目線の「娘とアップルパイ」。
おそらく訳ありの恋をしている娘。そしてそんな娘が、冬の朝にアップルパイを焼いている。
そんな姿を見て母は、「いいではないか、娘が彼を愛するのなら」と自分に言い聞かせるのです。
私は母の気持ちになったり、娘の気持ちにもなって、とってもとっても深い愛を感じるのです。

それから、シンプルな言葉で恋人たちのロマンスを書いた「夜のパリ」。
    闇の中でひとつずつ磨るマッチ
    はじめのはあなたの顔をいちどに見るため
    次のはあなたの眼を見るため
    最後のはあなたの唇を見るために
    そしてあとの暗闇はそれらすべてを想い出すために
    あなたをじっと抱きしめながら。

素晴らしくないですか!
このくらい潔い言葉ってすごく心に残ります。

逆に疲弊した恋を描いた「朝の食事」もまた、私の中にひっかかりました。
おそらく小さなテーブルをはさんで、朝食を食べるふたり。
コーヒーにミルクを落とし、かき混ぜ、飲んで。
煙草のけむりでわっかを作って、灰を落として。
そしてレインコートを着て雨の街に出ていく彼。
その間、私には何も言わず、私のほうを見ず。
そして頭をかかえて泣く私。
朝の冷え切った部屋に流れる沈黙が、刺さるように痛く感じました。


ほかに気になったのは、ウンベルト・サバ、ブローティガン、中原中也など。
江國香織さんって、小説はあまり読んだことがなかったけど
彼女が選んだ詩を見ていると、その感性にすごく共感するところがある気がします。
今度はじっくりと小説も読んでみよう!

活発な暗闇/江國香織編  164P
お気に入り度:★★★★☆

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↓自分の覚書用に収録作品を記載しました。

■収録作品■
「ぼくの船」レイモンド・カーヴァー/黒田絵美子訳
「娘とアップルパイ」レイモンド・カーヴァー/黒田絵美子訳
「まんきい」金子光晴
「平安な夕べ」八木重吉
「冬は正味6.75オンス」リチャード・ブローティガン/高橋源一郎訳
「私の冬」串田孫一
「一九五五年冬」高橋睦郎
「三月十八日、メイタグ・ホミッジ・ホテルで横になって」リチャード・ブローティガン/中上哲夫訳
「いにしへの日は」三好達治
「昨日いらつして下さい」室生犀星
「女王様のおかえり」林芙美子
「海の二階」堀口大學
「ガラス」高見順
「空を見てゐるとⅡ」高見順
「昼のコツクさん」尾形亀之助
「正午-丸ビル風景」中原中也
「お天気の日の海の沖では」中原中也
「雪」八木重吉
「ヒマワリとスカシユリのあいだに」片山令子
「過ぎてゆく手とそのささやき」片山令子
「雌猫」ウンベルト・サバ/須賀敦子訳
「ある散歩のあとで」ウンベルト・サバ/須賀敦子訳
「手紙」谷川俊太郎
「夜のパリ」ジャック・プレヴェール/大岡信訳
「とてもいとおしい僕のルウよ」ギヨーム・アポリネール/窪田般彌訳
「サンギーヌ」ジャック・プレヴェール/小笠原豊樹訳
「ローラ」フェデリコ・G・ロルカ/長谷川四郎訳
「絹の天幕」ロバート・フロスト/安藤千代子訳
「家出人人相書」佐藤春夫
「アンチミテ」堀口大學
「のんきな連中」ポール・M・ヴェルレーヌ/金子光晴訳
「願わくば金の真昼に」永瀬清子
「氷辷り」ポール・M・ヴェルレーヌ/金子光晴訳
「さらば」フェデリコ・G・ロルカ/長谷川四郎訳
「レストラン」リチャード・ブローティガン/高橋源一郎訳
「ⅩⅧ」ポール・M・ヴェルレーヌ/金子光晴訳
「朝の食事」ジャック・プレヴェール/小笠原豊樹訳
「夏の海の近くで」清岡卓行
「耳」清岡卓行
「異国の女に捧げる散文」ジュリアン・グラック/天沢退二郎訳
「雨」フランシス・ポンジュ/窪田般彌訳
「秋の終り」フランシス・ポンジュ/窪田般彌訳
「来るんじゃない 私が死んだならば」アルフレッソ・テニスン/江國香織訳
「都の子」アルフレッド・テニスン/西條八十訳
「窓辺で待っている」A・A・ミルン/江國香織訳
「隣の家」レイモンド・カーヴァー/黒田絵美子訳
「私の足に永瀬清子
「フラッドさんのパーティー」エドウィン・アーリントン・ロビンソン/江國香織訳
「トリエステ」ウンベルト・サバ/須賀敦子訳
「悲しみのあとで」ウンベルト・サバ/須賀敦子訳
「夕ぐれの時はよい時」堀口大學
「海辺のコント」阿部日奈子
「黄金週間」阿部日奈子
「無駄な疲れ」堀口大學
「パンとさくらんぼ」ウォルター・デ・ラ・メア/江國香織訳
「孤独な犬」アイリーン・R・マクロード/江國香織訳
「ねこ」エリナー・ファージョン/江國香織訳
「蛙の聲」串田孫一


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タグ : 江國香織 詩集 アンソロジー

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この記事へのコメント

キャラメリーナさん、本当に色んな本を読んでますね。
私も詩集というのは読むことはないのですが、遠い昔に
バル・キルマーの詩集を買ったのが最初で最後です。
(ミーハーですね・笑)
キャラメリーナさんの本の感想を読んでると、ふと本屋
さんに立ち寄ってみたくなります。(^^)

| SissyR | URL | 2012.10.30 09:03 | 編集 |

SissyRさんへ

前に言ったかもしれないけど、私は本の棚を眺めていって
なんとなく惹かれたものを手に取るので
まったく未知の分野や作家を読んだりしてます。
バル・キルマーって誰だろう・・・って思ってググってみたら
俳優さんなのね!無知な私(笑)
私は詩集って買ったことなかったの。
あっ、銀色夏生さんは持ってる。
でもSissyさん、日本でいつでも本が手に入ると思うと
逆に読まなくなったりしませんか?^^

| キャラメリーナ | URL | 2012.10.30 18:49 | 編集 |

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