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2012.10.28 11:24


『黙々と仕事を続ける水城さんに見入っていた。
段ボールケースに腕を突っ込み、缶コーヒーを取りだしている。
腕を折り曲げたまますくい上げると、肘の内側に缶が積み上がった。
190ミリリットル缶、通称イチキュウ缶だ。』


芥川賞を受賞した、伊藤たかみさんの作品を読みました。
そして今回初めて知った事実。
伊藤たかみさんって男性だったこと。
そして角田さんの元旦那様だったということ!
book八月の路上に捨てる

自動販売機の缶補充の仕事をする敦。
先輩の水城さん(女性)とは、なんでも話し合える仲だ。
今の恋愛のこと、失恋のこと、結婚のこと。
ところが実際の妻とはなにかとかみ合わず、離婚も時間の問題であった。

・・・なんというかね、登場人物の誰一人として共感できる人がいないのですよ。
エキセントリックな妻知恵子も、行動の読めない水城さんも。
そしてなんといっても敦!はっきりしない、問題を先延ばしにする。
そのうえそういう状況から逃げるように他の女性との浮気。
少しも魅力を感じないんですよね。
みんながみんな本音を言わず、殻をかぶって生きていている感じ。

「八月の路上に捨てる」っていうタイトルも、ちょっとわからず。
いったいどういう意味だったのだろう?
全体的にちょっと期待はずれだったかな。

もうひとつの収録作品の「貝からみる風景」のほうが心に残ったな。
小さな出来事が気になってしかたない夫に、同じように好奇心を示す妻。
夜、気持ちのいい風がふくらますカーテンに包まれてベッドに寝転ぶシーンは
なんだか幻想的で好きでした。

八月の路上に捨てる/伊藤たかみ  122P
お気に入り度:★★☆☆☆
第135回(平成18年度上半期) 芥川賞受賞

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タグ : 伊藤たかみ 中編小説集

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2011.11.26 08:04


『販売促進部の忘年会だった。
新宿の安いちゃんこ屋で、昨年も使った店だ。
やはり日本人なのか、座敷で飲むとうちとけるのが早い。』


この本を手に取ったときにまず目についたこの装画。
そうです、食堂かたつむりの表紙を描いた方です。

book誰かと暮らすということ

物語は、虫壁さんという一風変わった女の子を中心に
8編の短編からなっています。

虫壁さんが出てくる話もあれば、まったく登場しない話もある。
ところがそのどれもにちょこっとだけあらわれるもの。
それが「レンタルビデオ屋グレープ」です。

でもそのビデオ屋が舞台になることはほとんどなく
それぞれの登場人物の、日々移り変わる毎日のほんのひととき
ちょっと立ち寄り、すれ違っただけの場所なのです。

阪急電車を思わせるオムニバスの手法ですね。


登場人物はみな不器用に、でも一生懸命生きています。
中でも私が好きなのは、この変わり者の虫壁さん。

友達も恋人もいない、どんくさい女の子。
同じように「ずれて」いる同僚のセージと
なぜか気が合い、行動をともにするのですが
この2人の距離が徐々に縮まっていく様子がとっても可愛くて!

詳しくは恥ずかしいので言いませんが(笑)
周りから見たらわからない、2人だけにわかる恋愛の合図とか
なにげなく言われて嬉しかった言葉とか
私も遠い記憶にあるなぁ。ふふふ


その他に、かなりシリアスな話しもありますが
あまり重くなく、さらに私の好みの、先に希望の見える展開。

ちょっと息抜き的に、安心してさらさらと読める本でした。

■収録■
・セージと虫
・子供ちゃん
・やや
・サッチの風
・イモムシ色
・アンドレ
・サラバ下井草
・誰かと暮らすということ

誰かと暮らすということ/伊藤たかみ  212P
お気に入り度:★★★☆☆


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